日本の暦について
現在の日本で使用されている暦は、太陽暦です。
この太陽暦は、地球の公転周期を採用し、一年を356日として四年ごとに一日の閏をおいて、一日を24時間にわける方法をとっています。
一方、日本の伝統的な暦は、太陰太陽暦とよばれ、七世紀ごろ中国から伝わりました。
その後、日本の気候風土に合うように10回あまりの改暦を経て、明治の初めまでおよそ1300年間にわたって用いられてきましたが、明治六(1873)年以来太陽暦が用いられるようになりました。
現在の日本では、この明治六年の切り替え以前の暦を「旧暦」、切り替え後の暦を「新暦」と呼んでいます。
しかし、この「旧暦」から「新暦」への切り替え後も、1300年あまり旧暦を用いてきた人々の習慣や年中行事、雑節がただちに改められたわけではなく、今も旧暦が使われている場合も少なくありません。
例えば、春先の節分の豆まきや雛祭りや夏の七夕、秋の十五夜、亥の子、冬の冬至などは、旧暦にもとづく行事です。
また、「旧暦」から「新暦」に変わり季節のずれが生じために行事が遅れる「月遅れ」という現象もみられます。
例えば、旧暦によるとお盆は、七月の行事ですが、多くの地域では、八月に行われます。
この現象は、旧暦による七月のお盆をそのまま、新暦の七月に行うと、日本人が長い間もっている季節感が合わなくなってしまいお盆のイメージがずれてしまうため、八月にお盆を行う地域が多くなったためです。
このように日本の暦は、世界標準の新暦である太陽暦を採用していますが、季節感を大切にする日本の行事には、旧暦の太陰太陽暦も多く使われています。
旧暦と新暦の違い
旧暦と新暦の違いは、一言でいうと「一年の日数の安定性」の違いです。この安定性の違いにより、現在多くの国で新暦である太陽暦が採用されています。
これは、旧暦の太陰太陽暦が、月の満ち欠けの周期(29.5日)を基準に「1ヶ月」を29日もしくは30日と定め、一年を「12ヶ月」にしているためです。
この場合だと1年が354日となり、実際の1年(地球が太陽のまわりを一周する間の日数の約365.24日)と約11日も誤差が出てしまいます。
このため旧暦では、1年を384日に増やして19年に7回は、13番目の月「閏月」のある年を設けて調節しています。
一方新暦では、1年を365日としているので実際の1年と1年あたり約0.24日の誤差しかなく、4年に一度の閏日で調整できます。
このように1年の日数の安定性に旧暦と新暦の違いがあります。